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映画『グレイテスト・ショーマン』から日本人が学ぶべき事業戦略。困難は努力ではなく施策で乗り越えるモノ

※この記事はストーリーのネタバレを含みます。

映画『グレイテスト・ショーマン』はストーリーが良かったか感動するかは全く別として私達が人生を通して『仕事をする』上で学ぶべきポイントが散りばめられていたので記事にまとめました。

努力という甘美な思考停止

映画のあらすじ:事業は困難の連続

小さいころから貧しくも夢想家のバーナムは、良家の令嬢チャリティと結婚。ニューヨークでつましい暮らしを始めて娘たちも生まれるが、バーナムは仕事が長続きせず、貿易会社に就職しても、会社の貿易船が沈没してしまい倒産、社員全員が解雇される。しかし彼は沈没した船の登録証を持ち出し、それを担保に銀行から資金を借り、世界中のあらゆる奇妙なものを展示した「バーナム博物館」をオープンさせる。だが客足はかんばしくなかった。(wikipediaより)

映画『グレイテスト・ショーマン』は主人公バーナムがショービジネスを成功まで試行錯誤する物語ですが、劇中では幾度と困難な状況に直面します。

  • 勤務していた貿易会社が倒産する
  • 巨額の借金をして始めた博物館が閑古鳥
  • 批評家には酷評され市民から「街の恥さらし」扱いを受ける
  • 上流社会からは成り上がりのペテン師扱いされる
  • スキャンダルにより失墜する

これらを主人公が解決していく道筋が自分の感性だと一瞬異色にも感じましたが、改めて考えると事業を進める上で非常に重要なことでした。

努力のシーンが全くない

『グレイテスト・ショーマン』を見ていて日本人的な感性から最も違和感を覚えるのが"努力をするシーンが全くないこと"です。

例えば、借金を背負って始めた博物館に全く人が入らず、妻子と家族ぐるみで昼夜ビラを配り続けるもまるで好転しません。そこからバーナムは背の小さい大人や、とんでもない巨漢、身体能力の高い変わった人達を集めてショー(サーカス)を始めて最初の成功を収めます。

このビラ配りの失敗から、最初の公演成功までが劇中では一曲の間に収められており、その間努力の描写は一切ありません。突然、集められた変わった人達がワンシーンでキレッキレのダンスとサーカスショーを演じるのです。

筆者も映画館でこのシーンを見ていた時は「え?そんなカンタンに成功してしまって良いのか?」と思いました。

しかし、次の困難も、相変わらず努力のシーンはありません。

努力は成功の要因にはならない

念のため補足をすると努力は不要ではありません。シーンには写っていないだけで、サーカスのメンバー達も、集められてから初公演の間に必死に努力をして舞台に立ったのでしょう。しかしそれは(この映画の価値観では)取り上げる必要がなかったからシーンになっていないのでしょう。成功する人も失敗する人も、同様に努力は同然のこととして行っていて、成功する要因ではないからシーンにならないのです。

努力を積み上げていたら成功できなかった

目的や施策の無い努力ほど恐ろしいものはありません。

もしバーナムが勤務していた貿易会社で雑務の筆記を努力していたら、人の来ない博物館のビラを沢山配る努力をしていたら、彼の人生に成功はあり得なかったでしょう。

狙いや施策あってこその努力であって「辛い時はとりあえず努力」は困難から目を背けているだけです。

積み上げサクセスストーリーの末路

日本人の好きなストーリーに「困難なとき、愚直に努力を続けていたら、たまたま導いてくれる人の目に止まって、成功へ引き上げてくれる」というものがあります。

本当にこれはサクセスストーリーなのでしょうか。

その例に倣えば『倒産寸前だったけど愚直に会社を存続させていたら、中国企業が買収してくれて黒字回復した家電企業』はサクセスストーリーと表現できるのですがどうなのでしょうか。

困難は努力ではなく施策で乗り越える

事業戦略や、またはもっと小さい単位であってもチームや自分のタスクを全うする上で困難があった際に、目の前の作業を努力でカバーすることで乗り越えようと考えてはいないでしょうか。

それでは売れない博物館のビラを配り続けているだけです。

困難は「やり方を変えること」施策でしか乗り越えられません。劇中では問題に対して1つの施策で解答していましたが、現実の施策は何度も失敗するでしょう。その時「何を狙って施策をしたが、何が原因で失敗したか」を明確にし、その施策での努力を最小限に抑えて、次の施策へ繋げていきましょう。みんなの大好きなPDCAというやつです。 

 最後に

映画は一応ハッピーエンドになっていましたが、主人公バーナムは仕事に熱中し「他人の追い求める成功」を熱望し過ぎた結果、自分の大切なモノである家族を失いかけます。

しかし、彼がワーカホリックにも映るほど仕事に熱狂しなければ、貧しい暮らしのままだったことも事実です。正直この線引がどこなのか筆者自身、自分の人生において悩むことが多々あります。

この点に関しては「仕事をする者すべてが自分の中で落とし所を模索する」使命を負っているのだと思っています。

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)